森の秘密基地

音楽に関することをだらだらと綴っています。

Hayashi Craft RD-406 Range Driver

皆さんこんにちは、Billです。今年ももう年末ですねー。一年あっという間ですね。何はともあれ、今日もエフェクターレビュー、いきましょう。

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(コントロールは左からvolume、トーンコントロール(上がHi、下がLo)、sustain、gain)

個人的なイチオシエフェクターブランド、林クラフトのRange Driverです。

林クラフトというと、Trick Gain等を長岡亮介さんが、D-100を川谷絵音さんが長らく使用している事で有名なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

ざっくりと林クラフトの紹介をすると、元々Fender JapanやRolandなど、国内の一流の楽器メーカーのエンジニアとして活躍されていた製作者の方が、真空管アンプ等の修理と並行して立ち上げたエフェクターブランドとのこと。現在はアンプの修理は受け付けておらず、エフェクター製作のみに注力されているようです。話は逸れますが、林クラフトは埼玉の川口に工房を構えていられるようなのですが、実は僕の地元も川口なんですよねー。エフェクター好きとしてはなんだか嬉しくなっちゃいますね。(何の話?)

また、林クラフトの特徴として、そのラインナップのほとんどがディストーション、かつそのどれもが非常にアンプライクという点が挙げられます。最近はブースターやコンプレッサーも製作されているようですが、それでもやはり「林さんというとアンプライクディストーションでしょう」という方も多いかと思います。で、今回のこのRange Driverもその例に漏れずアンプライクなディストーションに仕上がっています。

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(ブルーとイエローのカラーリングが何ともレトロで可愛いですね。あとLEDが3つあるのも可愛い。)

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(中身はこんな感じ。基板はモールドされています。基板内の右の方に赤色のLEDがちょっこり見えるので恐らく歪みはLEDクリッピングで使ってるのかなぁなんて思いました。)

という訳で、さっそくレビューしていきましょう。

今回のポイントは2つ

1:トーンのチューニングが非常にアンプライク

 

2:ゲイン幅がかなり広い

 

3:最大の特徴「sustainノブ」

 

まず一つ目から見ていきましょう。先述の通りこのRange Driver、かなりアンプライクな出音で、個人的にはMarshall系のペダルに分類されるのかなぁと思いました。で、やはり林クラフトならではだなぁと思ったのは、良い意味でハイファイではない、心地よくギターを弾けるちょうど良いレンジ感を備えている点です。たまにMarshall系で見かける、ハイとローのバランスが悪くて音がシャリシャリしたりボコボコしちゃうような事は皆無です。最近はアンプライク系ディストーション、その中でもMarshall系に関して言うとかなり多く存在するように思いますが、その中でも林クラフトならではの良さを感じるのはやはり音作りが上手い証拠なのかなぁと思いました。

加えて、二つのトーンコントロールがかなり良く効きます。Hi、Loのそれぞれが付く帯域も秀逸で、Hiはしっかりと音抜けを良くしてくれる帯域、Loはアンプの箱なり感の様な帯域を付いてくれます。そのため、リハーサルやライブなどはもちろん、宅録やレコーディングでもかなり頼り甲斐がある使い勝手だと感じました。正に「実戦でここをこうしたい!」と思う部分がしっかり調整できる感じです。

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次に、ゲイン幅についてですが、クランチからリードも余裕を持って弾けるディストーションまで、かなり広く取られています。またボリュームに対する反応もよく、特にゲインを絞ってクランチ気味にしておいて、ボリューム側で作るクリーントーンはかなり良かったです。トーンの効きもいいので抜け感も簡単に出せます。いい感じです。

最後に、Range Driverの1番の特徴と言える「sustain」について見てみましょう。簡単に言うとこのペダル、内部にコンプレッサー回路が入っていて、このsustainコントロールでそのコンプレッサーのかかり具合を調整します。で、そもそも何故ディストーションにコンプレッサーを組み合わせたのかって話なんですけど、何でも、Marshallのスタックアンプを爆音で鳴らした時に感じる真空管アンプならではのコンプレッション感を再現する為に搭載したそうで、いわゆるダイナコンプ的なパコパコ効くタイプではなく、音の伸びや押し出し感を調節する感じでした。なので本体の表記通り、あくまで音のサステインや音圧を調節するコントロールと言えると思います。実際にライブハウス等で爆音かつゲイン上げ目で使う場合は効かせすぎない方が良い様に思いますが、特にライン録音などではかなり重宝する機能だと感じました。

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という事で、林クラフトのRange Driverを紹介しました。総じて、実戦でガンガン使いたくなるディストーションペダルと言えるかと思います。トーンの効きもよくゲイン幅も広い。その上、音のコンプ感まで自由にコントロールできるというのはこのペダルの大きな強みだと感じました。加えて、林クラフトらしい音の暖かさもあるので、JC120と組み合わせてもかなり良かったです。いわゆるJC対策なんかにも一役買ってくれると思います。

林クラフトのペダルは楽器屋さんの中でも限られたお店でしか扱われない為、中々見かける事自体少ないとは思いますが、もし見かけて気になられた方は是非試して頂けたらと思います。値段も決して安くはないですが、高過ぎでもない程々の値段なので是非手に取ってみてもらえれば嬉しいなぁと思います。

どなたかの参考になれば幸いです。それでは。