森の秘密基地

音楽に関することをだらだらと綴っています。

BJFE Red Rooster Booster レビュー

皆さんこんにちは、Billです。

パンドラの箱を開ける時が来ました…

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BJFEのRed Rooster Boosterでございます。

つい数週間前、Pedal Shop CULTさんで「Shun Nokina's BJFE collection」と銘打った企画が催されました(7/18日現在、Sea Blue EQはまだ販売中です)。その名の通り、Shun Nokina Design(SND)やLeqtiqueで有名なエフェクタービルダーであるShun Nokina氏本人が所有していたBJFEペダルのコレクションの一部が販売されたのです(CULTから購入者へBJFEが一斉に届いた日、ツイッターがBJFE祭りみたいになってめちゃくちゃ楽しかったですね笑笑)。

で、今回僕が入手したRed Rooster Booster(RRB)も、紛うことなきシュンノキナ氏のコレクションの一つになります。

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(蓋パカーン。)

蓋を開けるとこんな感じ。基板部分は樹脂で固められています(修理とか大変そう…)。シリアルを見れば分かる通りこのRRBはだいぶ初期の個体で、筐体もELFA製の亜鉛筐体です。通常のアルミダイキャストケースと比べるとかなりズッシリと重さがあります。重さでいうと、アルミケースというよりVemuramのエフェクターで有名になったブラス(真鍮)筐体に近いと感じました。よく筐体の素材で音が変わるというは聞く話だと思うのですが、もしかしたらBJFEにもいわゆる「初期物信仰」的な奴ってあったりするんですかね?(BJFE買ったの初めてだからそこら辺の話を全然知らない…)

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裏蓋の鶏めっちゃ可愛いな?(萌え)

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(基板のパターン部分が半田モリモリ。このRRBのように、BJFEの中でも基板もBJ本人が製作してる個体の方が良い音がするとかしないとか。)

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(チラリと見えるWimaのコンデンサ。やはりShun Nokina氏はBJFEから多くの影響を受けたんだなぁと何となく思いました。)

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(この個体はBJFE特有の塗装ハゲがかなり少なめ。裏蓋もこの通りの綺麗さ。良き。)

ということで、早速レビューに入りましょう。

今回のレビューのポイントは2つ。

①僕がRRBを買った理由

 

②かけっぱなしのプリアンプ的使用も良き

 

①まず、そもそも僕が税込6万円(白目)くらいするワンノブのブースターを買った理由は、一つ目は「僕自身がShun Nokina氏のことが大好き、かつBJFEのペダルはいつか欲しいと思っていたというマニア的要素」、二つ目は「RRB真空管アンプのゲインブースターとして最高と聞いたため」でした。

一つ目はまあ置いておくとして、メインは二つ目。もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれないんですけど、僕、先月Fenderの68 Custom Deluxe Reverbを買ったんですね(アンプのレビューはこちら→http://ubilliquitous.hatenablog.com/entry/2020/07/05/104642 )

個人的に良いクリーントーンがしっかり出るコンポアンプが欲しかったということもあって大満足だったのですが、ふと「アンプ直の歪みってどんな感じなんだろう……??」と思い、平日の昼間にたまたま休みがあったので一回フルテンで鳴らしてみたんですよね。そうしたら、まあ案の定床が揺れるレベルの音量なんですわ。。。(「あ、これは無理だわ」と悟り、スッとボリュームを4辺りまで下げました)

僕自身、手元やギターボリュームでゲインや音量をコントロールするとはいえ、歪みを伴ったトーンを家でデラリバ直で鳴らすのは、例え昼間でも中々音量的に難しいものがあると感じた訳です。

そこでこう思う訳です。アンプ本体の手前、要はエフェクター真空管アンプのプリ部分をブーストする事で「アンプ直で出したい歪みを、アンプ直の時よりは低めの音量で良い塩梅に出せるペダルはないのか」と。つまりペダル側で音を積極的に補正するというより、あくまでアンプのトーンありきで、そこから更にアンプのゲインをそのまま拡張できるようなブースターペダルが欲しくなった訳です。

そうしてブースターを物色していた時にこのRRBが目に止まり、CULTの主催である細川氏からも直々に「RRB真空管アンプのブースターとして最高」とのコメントを頂き、気付いたら買っていたという次第です(爆)。

で、実際に使ってみてどうだったのかって話なんですけど、これが本当最高でした……大正解。これは②にも繋がるんですが、RRBって基本的にはフルレンジなブースト感でありながら、音の明瞭感を絶妙に付加しつつ、歪ませる際には余分となるロー感をほんの少し軽減してくれる印象があります。

なので例えば、アンプ直で歪ませて心地良いトーンとなる位置にトーンを設定にした上で、アンプのボリュームを適正な位置(歪ませる事を考えると目盛でいう4〜6辺りが良い感じ)まで下げ、RRBでガッツリブーストさせる。で、後はギター側のボリュームで操作する、といったセッティングにすると、程良いボリューム感(それでもギターボリュームフルだと全然爆音ですけど)で良い感じに歪ませる事が出来るのです。しかもRRBの程よい解像度から、ボリュームを下げた際のクリーントーンもめっちゃ良い感じでした。まさにかけっぱなしに出来るペダルだと思いました。

ただこれはアンプ側(Fender系なのかMarshall系なのか等)やギター側(シングルかハムか等)によって大きく印象は変わるのかなぁとも思いました。なので、あくまで「僕自身の好み・スタイルにドンピシャで合った」といった風に捉えた貰えれば幸いです。

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ノブの名前が「Gain」である事にも納得しました。「ワンボリューム真空管アンプにゲインノブを追加するブースター」といったニュアンスなのだと思います。

 

②これは個人的にも予想外でした。RRB、ゲインブースターはもちろんのことクリーンブースターとしても非常に優秀でした。①でも書いた通り、RRBは基本的にフルレンジなブースト感を持っていながら、ほんのりと絶妙なトーンシェアピングも施してくれるので、アンプをクリーントーンに設定して足元で音を作る場面でもずっとオンにしておきたくなる弾き心地をもっているんですよね。いわゆるバッファ・プリアンプ的な使い方でも良い仕事をしてくれるのは良い意味で誤算でしたね…!

あと当たり前の事ですけど、ワンノブしかないため足でも楽にノブを回せるのって凄い楽しいですね…。例えばギターを2本使うライブでRRBをかけっぱなしにしておいて、ギター間のレベル差をささっと調節したり、タッチワウ等のインプットボリュームでエフェクト感が大きく変わるペダルを使う場面でレベル差を埋める役割も担えたり…いわゆるブースターに求める役割の多くをこれ一台で、しかもワンノブで達成出来てしまう懐の深さは中々のものだと思いました。

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という事で、BJFEのRed Rooster Boosterのレビューでした。

やっぱBJFEって凄いんすね。エフェクターマニアであればあるほど好奇心・所有欲をくすぐるその良さ、自分で所有してみて初めて分かりました…RRBに限らず、BJFEのペダルはご存知の通り値段もかなりしますし、個人個人の好みの問題もあるので声高にオススメとは言えないかもしれませんけど、是非一度楽器屋さんなどで試してもらいたいなぁとは本当に思いますね。

あとこのRRBに限っては、シュンさんが以前所有・使用していたペダルを今自分が使っているっていうのはやはりエモ過ぎますね…かなりの値段はしましたけど(爆)、それ以上の多くの喜びが感じられ、大満足でございます。

改めて、こんな機会を用意してくれたPedal Shop CULTの細川氏には感謝感謝ですね。

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このロゴに偽りなし、といった所でしょうか。

どなたかの参考になれば幸いです。それでは。