森の秘密基地

音楽に関することをだらだらと綴っています。

Boss BD-2 Blues Driver レビュー

2020年、あけましておめでとうございます。Billです。2020年初エフェクターレビューを飾るのはこの大定番。

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(コントロール類は左からLevel、Tone、Gain)

歪み系エフェクターの大定番にしてオーバードライブにおけるマスプロダクトの頂点、BossのBD-2をレビューします。

いや、やはりこのペダルは凄いですよ。本当に。1995年のBD-2発売開始以降の約20年間は、エフェクター界において言えばハンドメイド系・ブティック系オーバードライブの栄枯盛衰の時代といっても差し支えないと思います。

特に2010年代に入ってからというもの、トランスペアレント系やアンプライク系など、正にBD-2とコンセプトが重なるようなペダルがそれこそ数え切れない程発売され、また消えていくような「オーバードライブの戦国時代」を見事に生き抜いてきているペダルがこのBD-2であり、その時点でBD-2が名機である事はある意味自明と言っていいでしょう。

で、今回はそんな「みんな大好きブルースドライバー」について、僕なりのレビューを書いていきたいと思います。

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(まずもってこの青色が最高にカッコいいと思います。万人受けしやすいかはともかく、個人的にとても好きなカラーリングです。)

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ちなみにですが、最近のBossの歪み系はこのように表面実装パーツを使ったとても小さな基板を使用してます。良い意味で工業製品感があり僕はとても好きですが、どうやらこの基板だとパーツモディファイを施すのが難しいそうです。一時期流行ったBossのモディファイ系もこれからは少なくなってしまうかもしれませんね…現にあのKeeleyやJHS Pedalsもボスコンモディファイやめちゃいましたし。まあモディファイってあくまで既製品の「改造」なので色々グレーな部分もあったのでしょうけど、なんだか時代の終わりを感じてしまいます…悲しい…

寄り道はこれくらいにして、本題のレビューに入っていきましょう。

今回のレビューのポイントは2つ。

1:BD-2は「元祖アンプライク系オーバードライブ」

 

2:プロダクトとしての完成度の高さ

 

1:BD-2の凄いところはもう既に各所で沢山述べられていますが、その中でも特に個人的に凄いと思うのは、このBD-2が所謂「アンプライク系オーバードライブ」の元祖とも言える存在だという事。先述のBD-2のモディファイで有名となったKeeley electronicsのRobert Keeley氏曰く、BD-2は回路的に見てもかなりアンプに近い、特にFenderのSuper Reverbの回路に近いとのこと(間違えてたらすみません)。

要はブルースドライバーの名の通り、開発当時の80〜90年代のブルース系ギターのトーンを再現する為に、当時から使われる事の多かったフェンダーアンプをオーバードライブさせた時のトーンを再現したペダル、それがBD-2の元々のコンセプトであるという解釈で概ね正しいのだと思います。

ただ面白いのが、このBD-2発売から約10年後には皆さんご存知「アンプライク系オーバードライブ」が数多く市場に現れるようになったんですよね。それこそ、フェンダー系のペダルの近年の代表格としてはVemuramのJan Rayなんかが有名だと思います。(Jan Rayのレビューはこちらから→http://ubilliquitous.hatenablog.com/entry/2018/12/22/123450 )

まあそれにしても、開発時の元々のコンセプトはあくまで「ブルースギターのサウンドエフェクターで再現する事」ではあったものの、結果として、オーバードライブにおける一大潮流となった「アンプライク系」の先駆けとしてBD-2を見事に花開かせたBossの先見性にはやはり目を見張るものがあるなぁと思います。

 

2:Bossの代名詞である、壊れにくく踏んだ時に足がノブに触れない「ボスコン筐体」を始め、回路・音双方の安定感、学生でも手軽に買える価格かつどこでも手に入ること等、BD-2に限らず、「Bossのペダル」って本当凄いと思います。

日本だと、Bossのお膝元という事もあってなのか、僕達ってこれらの事をついつい「当たり前の事」として認識しがちだと思うんですよね。でも、これって全然当たり前なんかじゃないと思います笑笑。それこそ近年市場に溢れかえるハンドメイド系に触れていると、Bossのこの安定感は特筆に値するという事が身に染みて分かります。本当、日本の誇る素晴らしい大企業だと思います。

僕のBoss愛はこれくらいにして笑笑。これらボスコン共通の特徴を踏まえた上で、BD-2ならではの特徴として、コントロール幅の広さが挙げられますね。ゲインもクリーンからディストーションっぽい荒い歪みまでOK。シングルコイルの音を落ち着かせるもよし、ハムバッカーのギターを抜けさせるもよしという広いレンジが取られているトーン。正に「万能なオーバードライブ」と呼ぶに相応しい使い勝手だと思います。

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という訳で、BossのBD-2のレビューでした。

ギタリストにとって、ある意味空気のように当たり前のものとしてすぐそばにあるエフェクターであるBD-2。数年前にギターマガジンで歪みエフェクターの特集が組まれた際に、デジマート上の売り上げランキングの一位はBD-2だったのを今でも鮮明に覚えています。こうして今一度振り返ると、ある意味BD-2が一位というのは時代的にも、プロダクトとしても、必然と言えるのかなぁと思いました。

その一方で、まだBD-2を試した事がないって方もいると思うんですよね。そういう方こそ是非一度試してみて欲しいなぁと思います。僕自身オーバードライブに関して言うとかなりの数を弾いてきましたが、トータルでここまで完成度の高いペダルって本当全然無いですよ。

個人的な話になるのですが、中学生の頃から僕がエフェクターの中で最も見た目が好きなペダルがBD-2でした。こうしてレビューしてみて、やっぱり音も相当好きだったんだなぁと改めて実感しました。それこそずっとこれメインでも良いなぁなんて思うくらい。

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機には名機たる所以があるということをまざまざと見せつけられたような気がします。

どなたかの参考になれば幸いです。それでは。