森の秘密基地

音楽に関することをだらだらと綴っています。

CULT×Leqtique CLHD supreme(Caeruleum Light drive High Definition supreme)

そろそろ2018年も終わりですねー。皆さんお久しぶりです。billです。

はっきりいいましょう。これ、ヤベぇエフェクターだと思います。

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(左からvolume、presence(ミニノブ)、definition、gain)

CULT×Leqtiqueの「CLHD supreme」です。

2018年、日本のエフェクターマニアの間で知らない人はいないほど有名なエフェクター研究家である細川氏が立ち上げたショップ「CULT」が、日本屈指のエフェクターブランドであるLeqtiqueとタッグを組み実現した企画「supreme series」。その時に発表された3機種のうちの1つがこの「CLHD supreme」になります。

僕は元々、オリジナルのCLHD(以後、無印CLHD)がかなり気に入っています(このブログでレビューも既に書いてあるので良ければ読んでみて下さい。→http://ubilliquitous.hatenablog.com/entry/2018/01/18/183512 )。

なので、発表されてすぐに購入し、家に届くまで今か今かと楽しみにしていました。

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(箱から開けるとこんな感じ。)

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(いつもながら美しいLeqtiqueのswirl塗装。ヨーロッパ的な繊細さに加え、今回はどこか日本的な色彩感も感じられ、とても美しいです。)

 

それでは早速レビューに入りたいと思います。

今回のレビューのポイントは3つ。

1:CLHD supreme最大の特徴「presenceコントロール」について

2:CLHD supremeは単体で歪ませても割といい感じ

3:無印CLHDとCLHD supremeを掛け合わせると…

 

1:まず初めに、このペダルの最大の特徴であるpresenceコントロール(ミニノブ)について見ていきましょう。このノブ、CULTさんのホームページによると「3.58Khz」というものすごくピンポイントに絞られた帯域をブーストするツマミになるそう。

よくあるプレゼンス領域を調節するコントロールでは、上げ過ぎると音がペラペラになったりキンキンしたりする事も決して珍しい事ではないですよね(Marsha○lアンプのプレゼンスとかが代表的かも…?)。

ですが、そこはやはりLeqtique。上げても決してペラペラになったりキンキンしたりする事なく音に煌びやかさやプレゼンスの抜け感が出てきます。

 ただ、「CLHDって元々音の解像度が高い事で有名だし、そこから更に音抜けを良くさせる必要なんてないんじゃない?」なんて考える方もいらっしゃると思います。

これは以前の無印CLHDのレビューとも繋がるんですけど、CLHDって他に類を見ないほどフルレンジなトーンを持っています。もっというと結構低めのローもかなりしっかり再生してくれます。そのロー感がいい働きをする事もある反面、アンサンブルに入るとそのローが若干の音の埋もれにつながる事もあるんです。

つまり、元々抜けがいいのは確かなんですけど、「このローがほんの少し邪魔だなぁ…」なんて感じる時も多々ある訳です。

そこで、このpresenceコントロールを上げる事で、音のピークを少し高域側にシフトさせてあげられるようになった為、上手いことこの低音を馴らす事が出来るようになってます。

 結果として、CLHD supremeでは、CLHD本来の音の太さ、解像度はそのままに、抜けの良さのみを任意で調節する事が出来るようになり、元々非常に優秀だったCLHDのクリーンのプリアンプとしての特性を更に強化させる事に見事に成功していると思いました。素晴らしい。

 

2:次に、単体で歪ませた時の使い勝手ですが、これもpresenceコントロールの恩恵をかなり受けていると感じました。というのも、無印CLHDでは、その解像度ゆえに単体で歪ませると不要なローやハイによってバリバリした音やボワボワした音になってしまい、単体では使いづらい音になりがちでした。

しかし、このpresenceコントロールにより、抜け感を強調しつつも、嫌な割れ感の元となる帯域とは別の部分を持ち上げる事が出来るので、遂に単体の歪みも十分使える音になったんじゃないかなー、なんて思います。

ただ、基本的な回路が変わった訳ではないので、やはり単体の歪みの音の感想は今まで同様、好みで変わると思います。なので、あくまで僕が弾いてみて、CLHD supremeに関しては単体で歪ませた音も好みだった、程度に思ってもらえれば幸いです。

 

3:そして……

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はい。無印CLHDとCLHD supremeを組み合わせて歪みを作ってみました。CLHDの二個掛け、やってみたかったんですよねーー笑笑。というのも、このCLHDの二個掛けはLeqtiqueの主催であるShun NokinaさんもTwitterでおすすめしていた使い方でして(そのツイート→https://mobile.twitter.com/Leqtique/status/752142414177984512 )、僕もこうしてCLHDが2台も手元にやってきたので(笑)、やってみる事にしました。(我ながら、同じようなエフェクターが家に二台もある光景を目にしたとき、バカ野郎だなぁなんて思いました爆)

今回はCLHD supremeをメインの歪みとして、無印CLHDはブースター的な役割で使ってみました。

で、実際にやってみた感想ですが、確かにかなりいい感じにオーバードライブしてます。CLHDが本来持っている分離感や音の太さをそのままにコンプ感も生み出しながらちゃんと歪むので、弾いていて結構楽しいサウンドになります。

あと、弾いていて思ったのは、CLHD supremeはこの二個掛けも考慮して設計されたんじゃないか?なんて考えてしまうくらい、ここでもpresenceコントロールが音抜けに関して良い働きをしていました。もし無印CLHDとCLHD supremeをどっちも持ってる方は是非お試しあれ。

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という事で、CLHD supremeのレビューでした。いや、個人的にこのペダルすごい好きです。やはりpresenceコントロールが肝で、本当に痒い所に手が届くコントロールだなぁと感じました。

ちなみに、今回のsupreme seriesの3機種は全てCULTさんのみで購入可能です。また、CULTさんはまだ実店舗がないので、今のところ入手する方法はCULTさんのホームページから直接ネットで購入するしかありません。僕自身、試奏なしでエフェクターを購入したのは初めての経験でしたが、元々CLHDを持っていた事、そしてデジマート製品レビューで有名な村田さんの試奏動画を見て購入を決めました。(CULTさんのホームページはこちら→https://www.cult-pedals.com )

(村田さんの動画はこちら→https://m.youtube.com/watch?v=NtOdSfMv29k )

加えて、CULTさんのホームページに載っているLeqtiqueの主催であるShun Nokinaさんへのインタビュー(https://www.cult-pedals.com/blogs/interview/ )も是非読んでみて下さい。Nokinaさんの拘りや哲学の一端に触れる事が出来ると思います。

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(相変わらず、物凄いパーツ群。シリアルナンバーが20番とキリ番で割と嬉しかったです。)

話は逸れますけど、2018年のleqtiqueの勢いハンパなくないですか…というのもこの一年、新機種または復刻版だけで既に9機種(MAR vptp、EDM、beryl、11/11、Caelum overdrive(COD)、6/6、mini EQ、Maestro Antique limited、Stellaclasm)出してて、まだ何か出るらしいですし…

さらにいうと、2in1seriesなるものもやっていて、順序が逆の組み合わせも1つずつ数えると多分64種類くらい(その時使われたのがmaestoso、9/9、redemptionist、CLHD、rochechouart、provoost、roger、10/10の8機種なので、大雑把に8×8=64種類)あるので、

合わせて軽く70種類以上は出してる計算になると思います…

 

Shun Nokinaさん、お体ご自愛ください(切実)

 

それこそ本当にleqtiqueのエフェクターが好きな方の中には、財布的にもうカラッカラを通り越して砂漠のようになってるような方もいるのではとか勝手に思っているんですけど…(余計なお世話)

それはともかく、今年一年、エフェクターマニアの人達は本当にLeqtiqueさんに楽しませてもらえたんじゃないかなぁと勝手に思ってる訳です。(もちろん、僕もその中の一人です。)

改めて、Leqtiqueさん、そしてCULTさん、最高のクリスマスプレゼントをありがとうございます。

そろそろサンタの足音が近づいてきていますね。

それでは皆さん、良い年末を。